2014年11月21日金曜日

ラッセル・マーティンが5年82Mの契約でジェイズへ

長いことご無沙汰となってしまいました。久しぶりにブログを更新いたします。


さて、11月17日にFAとなっていたラッセル・マーティンがジェイズと契約合意に至ったと発表され、このほど現地時間の今日20日に正式な会見が開かれました。ジェイズは過去にマーティンがFAになった際にも彼と接触したようですが、そのときはまだアレンシビアがレギュラーであり、マーティンが彼のバックアップ扱いになるのを嫌い契約に至らなかったという経緯がありました。契約の内容は5年82M。この契約はジェイズのフランチャイズ記録で二番目に大きな契約となります。ちなみに一番はバーノン・ウェルズの7年126Mです。



契約の内容を見てみましょう。

15年:7M 
16年:15M
17年~19年:20M

なお、ノートレード条項は含まれていないとのことです。とはいえ、17年からの20Mのサラリーでは簡単にトレードすることもできないでしょうが。PITは彼にQOを提示していたので、ジェイズは有していた来年のドラフト全体18位の指名権を失いました。
マーティンは「5年契約というのが重要だった」と語っており、これが決め手となったようです。CHC、PIT、LAD、SEA、彼に興味を示しているとされていた球団は軒並み彼に4年契約を提示していたようで、ジェイズが純粋に条件面で上回っていたんですね。


ジェイズは当初マーティンを獲得することは考えておらず、彼を本格的に獲得するために動き始めたのは11月に入ってからだったそうです。11月4日、来年モントリオールで行われるCINとのSTゲームの記者会見のためにアンソポロスがモントリオールに滞在していたとき、彼と彼のエージェントであるColleranと会い、そこから契約へと動き始めたのだとか。


個人的には彼の入団を熱望していたので、彼の入団は大歓迎です。14年はディオナー・ナバーロがレギュラーでしたが、彼は肝心の守備がワーストレベルだったので、もう彼以上のディフェンスを持ったCが来てくれるなら誰でもいいという思いでした。それがマーティンという球界でも最高のCの一人である選手が来てくれることになったのですから。彼はMLB9シーズンで7度もプレーオフを経験しており、これはプレーオフから遠ざかっているジェイズとしては重要なポイントです。またマーティンはオフェンスも14年のOPSが.832と優秀であり、この面でもナバーロと比べてアップグレードできることになります。もはや言うことありません。
そしてなんといってもマーティンはイーストヨークという現トロントの地区で生まれ、モントリオールで育ったカナディアンなんです。これがマーケティング面でも重要であることは言うまでもないでしょう。
彼のプレーが観られる来年のシーズンが楽しみでなりません。



・ジェイズの補強ポイント

現時点で名前が挙がっているFAの候補としては、パブロ・サンドバル、ジョン・レスター、アンドルー・ミラーがいます。ポイントとしては2Bの補強、ブルペンの強化なのでだいたい理に適っていると言えるでしょうか。サンドバルを獲得した際にはおそらくロウリーがフルシーズン2Bを勤めることになり、もしレスターを獲得した際にはハップをトレードに出すことが予想されます(おそらくレスターの獲得はないでしょうが)。
私の考えとしてはM-IFを一人、ブルペンを二人ほど加えたいところです。M-IFの候補としてはアズドゥルバル・カブレラ、ジェド・ラウリー、ブルペンの獲得候補はフランシスコ・ロドリゲス、セルジオ・ロモ、ルーク・グレガーソンの名前が挙がっています。アンディ・ダークス、ジャスティン・スモーク、マーティンの獲得など去年以上にアンソポロスがアグレッシブに動いている印象を受けます。特にブルペンは今年苦しんだところであり、しっかりとした補強を望みたいところです。このオフはロスターを大幅に変えることをアンソポロスが示唆しているので、動きに注目したいところですね。

2014年7月19日土曜日

Brady Aiken、ドラフト史上3人目となる全体1位指名の契約非成立選手に。

現地18日午後5時、ついにBrady Aikenとアストロズは入団の合意に至らぬまま、ドラフト選手の契約期限、いわゆるデッドラインを過ぎてしまいました。これで全体1位指名選手が契約に至らなかった例は1971年にCWSに指名されたダニー・グッドウィン、1983年のティム・ベルチャーに次ぎ、Aikenで3人目となってしまいました。アストロズが彼に最終的に提示した額は5M。最初の6.5Mから1.5M落とし、アストロズ側から歩み寄った形になりましたが、それでも契約には至りませんでした。なぜこのような事態になったのか? この記事ではその経緯を追っていこうと思います。




まず去る6月7日。Aikenがドラフト全体一位を受けた2日後の6月7日に、サインボーナス6.5Mで合意に達したとの情報が流れました。その後彼は正式に契約するため、6月23日にヒューストンを訪れ、身体検査を受けました。結果から言うとアストロズが主張するには、このときの身体検査によりAikenの肘に重大な損傷があるという事実が発覚したそうです。それが公になったのは7月に入ってからでした。ここからの交渉は両者譲らず、アストロズ側は最初に合意した額から大幅に下げた額で合意しようと交渉を続けますが、Aikenとその周囲の人間は彼の肘に何も問題はなく、健康であると主張。最終的には合意に至らず、アストロズは補償を得るためのスロット額の40%以上(約3.17M)を提示していたため、来年のドラフトで全体2位指名の権利を得ました。




ここで両者の主張を整理し、検討してみたいと思います。アストロズの主張としてはMRIの結果Aikenの肘には「Singnficant abnormality(直訳すると著しい異常)」があるとし、サインボーナスを下げたかったわけです。一方のAikenとアドバイザーのケーシー・クロース、さらに周辺の人間が言うには、彼の肘には何の問題もなく、プロで投げる準備ができていたとのことです。AikenのトレーナーであるPaul Flores氏、チームドクター、ジェームズ・アンドリュース氏ら全てがAikenは健康であり、怪我ではないとしているそうです。なぜここまで主張が食い違うのでしょうか。そして、どちらの主張が正しいのでしょうか?
これは私の考えですが、Aiken側の主張が正しいのではと考えています、理由としては、先に挙げた関係者全てがAikenは健康であると主張していること、Aikenが高校最後の登板で97マイルをマークしていること、アストロズ側が検査の結果を公表していないこと。これらが理由です。Aikenの肘に重大な損傷があるとしているのはアストロズ側だけなので、彼らはサインボーナスを下げるために彼のMRI結果を利用したと考えられます。おそらく検査では重大ではないにしろ、軽微な損傷があったのでしょう。その検査結果を盾にして、アストロズとしては最初の合意より低くサインをさせたかったのだろうと、私は考えています。
しかしAiken側が健康だったとするならば、彼らにとってアストロズの言い分は不当な言いがかりということになります。当然、心象は最悪でしょう。彼らからしてみると金額うんぬんよりは、アストロズ側のやり方に多大な不信感を抱いたでしょうし、それが今回の契約が成立に至らなかった要因なのでしょう。


ではなぜ、Aikenとそのアドバイザーであるケーシー・クロース、今後のドラフト候補生たちへの悪印象を与えるようなやり方をしてまで、アストロズはサインボーナスを下げたかったのか。その理由としては21順目で指名しているMac Marshallの存在があります。彼はベースボールアメリカのドラフトプロスペクトランキングで57位にランクインしている逸材ですが、ルイジアナ州立大学へのコミットメントを持っており、また自身のツイッターで進学を匂わせる投稿をするなど、タフな交渉になるのは必至でした。アストロズとしてはAikenのサインボーナスを抑えることにより、Marshallとサインするだけのお金を捻出したかったのだろうというのが、今回の騒動の理由として考えられます。



もう一人、この騒動に巻き込まれた選手がいます。5順目で指名されていたJacob Nixはサインボーナス1.5Mで合意、身体検査にもパスしていたのにも関わらず、アストロズがAikenとの交渉が不調なことを理由に、その合意を白紙にされました。アストロズがAikenと合意できなかった場合、そのスロットバリューが総プールから差し引かれ、既に合意していたNixとの1.5Mのサインボーナスが入ったままではペナルティを受けてしまうからです。ボーナスプールから15%オーバーした場合、来年のドラフト1順目指名権が剥奪されます。アストロズはこれを避けました。



結局、アストロズはAiken、Nix、Marshallのうち誰とも契約が成立しないままデッドラインを迎えました。アストロズのやり方は正しかったのでしょうか? MLBの広報担当であるPat Courtneyは、アストロズのやり方はルール上全く問題ないと述べたそうです。しかし、アストロズはAikenもMarshallも得ることはできませんでした。それがこの歴史的な失策の是非を表しているような気がしてなりません。


今後のAikenはどうなるのでしょうか。彼が取ることができる道は大まかに分けて三つあります。一つはコミットメントを持つUCLAに進学し、3年後の指名を目指すこと。二つ目はジュニアカレッジ(2年生の大学)に進学し、来年また指名される道を目指すこと。三つ目は二つ目と似ていますが独立リーグのどこかのチームで投げ、これも来年指名される道を目指すこと。さて、彼はどの道を選ぶのでしょうか。


デッドラインは過ぎてしまいましたが、まだまだこの騒動は尾を引きそうです。MLB選手会のエグゼクティブディレクターであるトニー・クラークはアストロズに対し、何らかの法律的な訴えを起こす可能性を示唆しています。願わくばこのような事態が二度と起きることのないように。そう思いながら、今回はここで筆を置きます。

2014年6月9日月曜日

2014 Blue Jays Draft まとめ

3日間のドラフトが終わりました。ジェイズは40順目まで選手を指名しています。全ての指名を纏めてみます。
選手の名前、ポジション、利き腕/打席、学校名、クラスの順に表示し、 行最後の()内の数字はBATOP500位以内に入っている選手とそのランクです。数字を表示していない場合はBAではランクインしていない選手となります。





Round1 全体9位 Jeff Hoffman RHP R/R イーストカロライナ大 クラスJR(13)

Round1 全体11位 Max Pentecost C  R/R ケネソー州立大 クラスJR(10)

Round2 全体49位 Sean Reid-Foley RHP R/R サンダルウッド高 クラスHS(19)

Round3 全体83位 Nick Wells LHP L/L バトルフィールド高 クラスHS (119)

Round4 全体114位 Matt Morgan C R/R  ソースビー高 クラスHS (151)

Round5 全体144位 Lane Thomas OF R/R  ベアーデン高 クラスHS (172)

Round6 全体174位 Grayson Huffman LHP L/L グレイソン・カントリーカレッジ クラスJ1(309)

Round7 全体204位 Zack Zehner OF R/R  カリフォルニア州立ポリテクニック大 クラスSR

Round8 全体234位 Justin Shafer RHP R/R フロリダ大 クラスJR

Round9 全体264位 Ryan Matzler 2B R/R サウスカロライナ大エイケン校 クラスJR

Round10 全体294位 Jordan Romano RHP R/R オーラルロバーツ大 クラスJR

Round11 全体324位 Jake Latz LHP L/R レモント高 クラスHS(208)

Round12 全体354位 Tanner Houck RHP R/R コリンズビル高 クラスHS

Round13 全体384位 Gunnar Heidt 2B R/R  チャールストン・カレッジ クラスJR

Round14 全体414位 Chase Mallard RHP R/R アラバマ大学バーミンガム校 クラスSR

Round15 全体444位 Ryan McBroom 1B L/R ウェストバージニア大 クラスSR

Round16 全体474位 Michael Papierski  C R/S  レモント高 クラスHS(411) 

Round17 全体504位 Quinn Carpenter RHP R/R アイオワ・ウェスタン・コミュニティカレッジ クラスJ2

Round18 全体534位 Dasty Isaacs RHP R/R ジョージア工科大 クラスSR (370)

Round19 全体564位 Cliff Brantley OF R/L アデルフィ大 クラスJR

Round20 全体594位 Aaron Attaway SS R/R ウェスタンカロライナ大 クラスSR

Round21 全体624位 Drew Lugbauer C R/L アーリントン高 クラスHS 

Round22 全体654位 Todd Issacs OF R/R  アメリカン・ヘイテイジ高 クラスHS (378)

Round23 全体684位 Zachery Pop RHP R/R ノートルダム・カソリック・セカンダリースクール クラスHS (319)

Round24 全体714位 Conor Fisk RHP R/R サウザンミシシッピ大 クラスSR 

Round25 全体744位 Rob Winemiller RHP R/R ケースウェスタン・リザーブ大 クラスJR 

Round26 全体774位 Bobby Wheatley LHP L/L  南カリフォルニア大 クラスSR

Round27 全体804位 Owen Taylor 1B R/S グランドジャンクション高 クラスHS

Round28 全体834位 Chris Carlson OF L/L カルポリ・ポモナ大 クラスSR

Round29 全体864位 Chris Murphy RHP R/R ビラリカ・メモリアル高 クラスHS

Round30 全体894位 Kevin Garcia C R/R ロヨラ・メリーマウント大 クラスSR

Round31 全体924位 Dave Pepe 2B R/L ペース大 クラスSR

Round32 全体954位 J.T.Autrey RHP R/R ラマー大 クラスSR

Round33 全体984位 Chase Wellbrock LHP L/R ヒューストン大 クラスSR

Round34 全体1014位 Brandon Hinkle LHP L/R デラウェア大 クラスSR

Round35 全体1044位 Joey Aquino RHP R/R サンディエゴ・クリスチャンカレッジ クラスSR

Round36 全体1074位 Yan Rivera SS R/R Celegio Catolico ノートルダム高 クラスHS

Round37 全体1104位 Michael Kraft LHP L/L テキサス大学サンアントニオ校 クラスSR

Round38 全体1134位 Keith Weisenburg RHP R/R オスケオラ高 クラスHS(70)

Round39 全体1164位 James Lynch OF R/L ピマ・コミュニティカレッジ クラスJ2

Round40 全体1194位 Trent MIller OF R/R ミドルテネシー州立大 クラスSR




Hoffman、Pentecostとのサインは心配ないとして、Sean Reid-Foley、Nick Wells、Keith Weisenburgとはしっかりサインしてほしいところですね。Hoffmanはスロットの半分以下でサインできると目されており、そのぶんは大学とのコミットの強いHS選手とのサインのために回すことができます。特にReid-Foleyは逃さず抑えておきたい選手です。全体20位前後での指名が予想されていましたが、フロリダ大とのコミットが強くスリップしてきたプロスペクト。彼とサインできるかできないかでドラフトの評価が大きく変わると言っても過言ではありません。
Weisenburgに関してはツイッターでこんなコメントを残しています。


彼とのサインは期待薄かもしれません。オンタリオ州南部のブランプトン出身のZach Popも是非抑えておきたいのですが、彼もサインは金額次第ということを匂わせています。彼らとはサインできたらラッキー位の心持ちでいたほうがいいかもしれませんね。

2014年6月4日水曜日

ジェイズの五月

素晴らしい五月でした。成績は21-9という快進撃を見せてくれました。現在アリーグ東地区首位。夢にまで見た首位を堅持しています。先月の投稿を見ると四月時点では負け越した状態だったので、いかに五月の勢いが凄まじかったかがわかります。20~28日まで9連勝するなど、破竹の勢いを見せてくれましたね。





・野手陣
 なんといってもエンカーナシオンの爆発につきるでしょう。四月はホームラン2本で終わった彼が五月はなんとボンズの月間17本まであと一本に迫る16本と大爆発。凄まじいまでの打棒を見せてくれました。振ればホームランというような状態で、頼もしいことこのうえありませんでしたね。
 リンドの故障で昇格してきたフランシスコも大きな役割を果たしてくれました。LHPに弱いためプラトーンとなっていますが、それでも五月は.284/365/649というスラッシュライン。7HR20RBIとジェイズのオフェンスに厚みを加えてくれました。彼が先発で出るときは2Bにロウリーが入り、LHPと対戦するときはロウリーが3B、トールソンが2Bに入るという布陣がうまくハマっています。
 バティスタは.324/.417/532というスラッシュライン。6HR22RBI、16BB17SO OPS.948というスタッツでした。やはりというべきか、異常なまでのBBペースは落ち着きましたね。月間AVGが3割を超えるという何ともむずがゆい感覚のスタッツです。個人的にはもっと彼のホームランを見たいので、6月はEEのような爆発に期待です。




・投手陣
バーリーが五月は負けなしの5連勝。現時点では早くも10勝に到達しています。間違いなく投手陣を引っ張っていたのは彼でした。例年二桁以上の一発を浴びているバーリーですが、ここまではなんと2本しかホームランを被弾していません。このあたりに好成績の要因がありそうです。ブルペンでもジャンセンが5月初めに復帰。自責点は未だゼロと抜群の安定感を誇っています。やはり彼がいるといないとではブルペンの安心感が全然違います。ハッチソン、ディッキーは堅実にローテを守っていますし、ハップの復帰、ヘンドリクスの好投というトピックスもありました。
 そしてそして、私イチオシのMarcus Stromanが5月31日についにスターターデビュー。6IPを投げ1ER、0BBで6Kという素晴らしいピッチングでスターターとしてキャリア初勝利。ファストボールの平均は95マイル、最速で97マイルに達する中、0BBという素晴らしいコマンドを披露。えげつない曲がり方をするスライダーにKCの打者のバットが次々と空を切るのは見ていて爽快ですね。今後の活躍を予感させるようなスターターデビューでした。





素晴らしい五月を過ごし、今日からは中地区首位のDETと対戦します。ジェイズの打者陣がDETのスターターからどれだけ点を奪えるのか。またピッチングスタッフがミゲル・カブレラ、V-martという3、4番をいかに抑えるのか。見ものです。

2014年5月2日金曜日

Toronto Bluejays 2014 prospect ranking

完全に私見のランキングになります。私の好みが多分に含まれています。
マイナー開幕前の時点でのランキングになります。









No.1:Marcus Stroman(RHP) マーカス・ストローマン

5-9、185ポンドと小柄な体格から耐久面を不安視されるが、昨年は2Aでフルシーズンを過ごし111.2IP、ERA、3.30、27BB127KでK/9が10.4、K/BBは4.78とスターターとしての力を示した。最速98マイルのファストボール、スライダー、カッターと3つのプラスピッチを有し、チェンジアップも平均以上のボールになると目されている。コマンドがよくソリッドな2番手になれるポテンシャル。


No.2:Aaron Sanchez(RHP) アーロン・サンチェス

ローテーションのトップに立てる素材ながら、制球難に苦しみ続けるトッププロスペクト。プレミアムなStuffを持ち、特にファストボールは最速97マイルで動きを伴う一級品。カーブ、チェンジアップも評価が高くアームアクションもルーズ。制球さえ改善されたら間違いなくエース級の素材。


No.3 Franklin Barreto(SS) フランクリン・バレット

5-9と小さな体にプレミアムなツールが詰まっているプロスペクト。打者としてはプラスのバットスピードとヒットツールを有し、ラインドライブを飛ばすミドルヒッターで投球の見極めもできるが、昨年は59Gで56個喫したようにやや三振が多い。二桁HRを打つパワーポテンシャル。脚が速く肩も強いが、フットワークの問題からSSに残れるかは疑問視されている。


No.4 Roberto Osuna (RHP) ロベルト・オスーナ

今年19歳と若いながら安定した制球を土台としたピッチングが光るメキシカン。92-96マイルのファストボール、プラスのチェンジアップにスライダーを織り交ぜるが、スライダーはまだ発展途上。メカニクスもスムース且つルーズだが、2013年7月トミージョン手術を受け、今年中の復帰登板が叶うかは微妙なところ。


No.5 Mitch Nay (3B) ミッチ・ネイ

プラスからプラスプラスのパワー、プラスのヒットツール、上質なアプローチと打者として非常に優れた能力を有している。ランナーとしては平均以下。3Bとしてプラスの肩と十分な守備範囲はあるものの、フットワークが拙く1BまたはコーナーOFへのコンバートの可能性が囁かれている。


No.6 Daniel Norris(LHP) ダニエル・ノリス

92-95マイルのファストボール、スライダー、チェンジアップ、カーブは全て将来的にプラスとの評価。コマンドに問題を抱えており、去年は90.2IPで46個もBBを与えた。ただし身体能力が高く、アームアクションもルーズなことから、改善にはポジティブな予想が多い。


No.7 Arbert Tirado(RHP) アルベルト・ティラード

傘下でもトップクラスのStuffを持つプロスペクト。腕の振りが非常に速く、その右腕から放たれたファストボールは最速98マイルに達し、かつ爆発的な速度を持ちミットに達する。スライダーは将来的に70グレードの評価とされ、チェンジアップも改善を示している。メカニクスもルーズであるが、投げ急ぐあまりリリース時にバランスを欠いているとの指摘も。


No.8 Sean Nolin(LHP) ショーン・ノリン

90マイル台前半のファストボールは動きを伴い、それをゾーンにコントロールすることができる。セカンダリーピッチはチェンジアップ、カーブ、スライダーとあるが、チェンジアップが最も上質なもの。特に大きな欠点こそないものの、ファストボールの評価は平均レベルであり、MLBの舞台で活躍するにはややファストボールの威力に欠けるきらいがある。


No.9 Chase Dejong(RHP) チェース・デジョン


制球力を含めた総合力の高さが光るRHP。カーブの評価が非常に高く、12-6の軌道で変化するアンヒッタブルなボールでMLBレベルでもアウトピッチになると見られている。平均88-91マイルで最速94マイルのファストボール、チェンジアップはまだ発展途上。2013年は58IPを投げ、10個しか四球を与えなかった。


No.10 Miguel Castro(RHP) ミゲル・カストロ


6-5、190ポンドの痩身から多大なアップサイドが見込めるとされるRHP。平均で93-96マイル、最速で99マイルに達するファストボールの評価が高い。スライダー、チェンジアップも将来的にプラスのクオリティ。2013年は3チーム合計でで70IPを投げ、ERA1.54、88SO11BBと支配的なパフォーマンスを見せた。


No.11 Rowdy Tellez(1B) ラウディ・テレーズ


2013年ドラフトクラス内で、左打ちとしては最高とされたパワーが最大の魅力。6-4、220ポンドとがっしりした体格からプラスのバットスピードで長打を飛ばし、プラスプラスのパワーポテンシャルとされる。ヒットツールも平均以上のポテンシャル、打席でのアプローチも忍耐強いが打撃自体はまだ粗い。守備走塁は特筆すべきものはないが、1Bとしてじゅうぶんな守備力は持っている。


No.12 AJ.Jimenez(C) AJ・ヒメネス


キャッチャーに必要なスキルをハイレベルで備えるディフェンシブなキャッチャー。ボールブロッキング、盗塁阻止、フレーミング技術と全て評価が高く、マイナーでの通算盗塁阻止率は40%を超える。一方でバットは非力であり、ブレーキングボールへの対応に課題が残るが、MLBレベルでギャップを抜くパワーはつくと目されている。コンタクトは巧いと言えるレベル。




No.13 DJ.Davis(OF) DJ・デービス


20-80スケールで80グレードのスピードが最大の武器。ただ盗塁技術は未熟で、去年は21度盗塁を試みて13SB、8CSとまだ磨かれていない。そのスピードを活かした守備は評価が高く、ゴールドグラバーになれるとされるが肩は強くない。打撃はアプローチ、ヒットツールともまだ未熟で、素材先行型のプロスペクト。


No.14 Dawel Lugo(SS) ドウェール・ルーゴ


素晴らしいハンドアイコーディネーション(手と目の連携)を活かしたヒットツールの評価が高く、全方向に打球を打ち分けることができる。パワーも20HRほどのレベルに達すると見られているが、一方で三振も四球も少なすぎるアプローチが問題視される。SSとしてはグラブ捌き、スムースな動き共に評価されているが、生来のスピードがなくやや守備範囲に欠けるため、将来的には3Bに移るとされている。



No.15 Tom Robson(RHP) トム・ロブソン



シンカーボーラー。91-95マイルの範囲で重く沈む一級品で、多くのゴロを生み出す。一方でカーブ、チェンジアップ共にセカンダリーピッチはまだ未熟だが、共に平均以上のポテンシャルを持つ。将来的にはローテーション半ばを守るイニングイーターとの見方が多い。


No.16 Dalton Pompey(OF) ダルトン・ポンペイ


CFにおいて昨年のマイナー版ゴールドグラブを受賞した守備が光る。38SBを決めたスピードが守備でも発揮されており、インスティンクトに優れ、肩もプラス評価。バットではパワーレスかつアベレージも高くないが、その分出塁することができるリードオフタイプ。昨年は9本の3Bを打った。


No.17 Andy Burns(3B) アンディ・バーンズ


上質なパワーとスピード。昨年は15HRを打ち、33SBを決めた。元々SSであったディフェンス面は評価が高く、強い肩と広い守備範囲を持っている。突出したツールがないため、将来像はユーティリティに落ち着くとの予想がされている。


No.18 Adonys Cardona(RHP) アドニス・カルドナ


2010年に2.8Mの契約金という高い期待を受けて入団したポテンシャルを未だ発揮できていない。最速99マイルのファストボールは92~95マイルの平均球速で、プラスのポテンシャル。12-6の変化をするカーブも将来的なプラスポテンシャルを有するが、制球難が向上を妨げている。過去3年のBB/9は3.4、5.7、4.6と高いままで、これが解消されない限りはブルペンとの将来像を覆せないだろう。


No.19 Jairo Labourt(LHP) ジャイロ・ラバウト


6-4インチと大柄なフレームを持ち、最速94マイルに達するファストボールはまだ伸びる余地がある。スライダーを持ちプラスポテンシャルを有するが、チェンジアップはレパートリーにあるもののほとんど投げず、向上が必要な球種。チェンジアップが向上すればローテーション半ばの素材。


No.20 John Stilson(RHP) ジョン・スティルソン


クローザーポテンシャル。最速97マイルのファストボールは重く沈む。スライダー、チェンジップもプラス評価だが、ややコントロールに不安がある。ただリリーバーとしては問題ないレベル。



ジェイズの四月

四月が終わりました。ジェイズにとっては色々と残念な四月になってしまいました……投手陣の崩壊、打線低調と噛み合わない状態が続いています。12勝15敗、地区4位と負け越して四月を終えてしまいました。





・野手陣
 なんといってもレイエスの離脱が痛かったです。開幕してすぐに離脱。戻ってきてからも打率2割前後に盗塁は0と依然低調なままで、ジェイズのオフェンス不振の一端を担ってしまっています。彼の怪我は予想できましたが、さすがに開幕すぐとは計算外でした。IFのデプスが極薄なのがこういうところで響いてしまいます。ライアン・ゴインズも24試合で打率.150、出塁率でも.203とお話にならず、ついに先日バッファローへ送られてしまいました。これでは自慢の守備もプラスになりません。
 



ナバーロは打率3割超えとバッティングはなかなか好調ですが、守備がひどいです。パスボールがすでに3つあり、26回の被盗塁機会で刺せたのはたったの4回、CS15%と走られ放題です。これではバッティングがいくら良くても……とため息をつきたくなります。ロウリーは打率2割以下ですがRBIがチームトップ、6HRとそこそこのパワーを発揮。エンカーナシオンが低調で、ここまで2HR、それ以上に心配なのが三振の多さで、ここまでで25個も喫しています。ロングヒッターでもコンタクトが非常にうまい彼なのにこの多さはかなり心配なのですが……五月での爆発を期待したいですね。
リンドは開幕から3割超えと好調でしたが、18日に背中の痛みを訴えDL入り。ただ、ここはフランシスコでカバーできており、ダメージを少なく抑えることができています。驚異のパワーを持つフランシスコ、彼にも注目です。



OFはメルキーが.342と好調です。オフの手術で痛みが取れ、全力でプレーできているよう。素晴らしいオフェンスを見せてくれています。ラスマスは打率が2割を下回り、三振も相変わらず多く酷い状態です。いっそDL入りさせてもいいかなと思うのですが……


そして我らがバティスタ。四月は.293/.467/.598 8HR18RBI 30BB21SO OPS1.065と好調な四月でした。四球のペースが驚異的です。30球団の打者で堂々トップ。ただ、さすがに多すぎるかなと思います。数字自体はいいので五月もこの調子でお願いしたいです。


問題は2Bです。ゴインズがマイナー落ち、レギュラーを固定できていません。ギボンズもたまらず2B問題に言及したようですが、そんなことはオフからわかっていたことで、ファンからすれば今さら何を言っているんだという感じです。イズトゥリスが靭帯をやってしまいシーズン絶望、問題はかなり深刻かもしれません。トレードで誰か獲得する必要が出てくるかも。AAはどう出るんでしょうか。
これに関して面白いと思っているのはバッファローに先日昇格してきたRyan Schimpfです。.299/.440/.642となかなかのスラッシュラインで、出塁できます。3Bがメインではありましたが、2Bも守れます。さすがにすぐ昇格はしてこないと思いますが、2Bが固定できないままだと、いずれは彼の昇格話も出てくるかも。注目しておいたほうがいいかもしれません。





・投手陣
悲惨の一言です。スターターからブルペンまで酷いです。ディッキー、モロー、マゴワンがERA5点以上、バーリーとTJ明けのハッチソンがローテを引っ張る形に。スターターが長い回持たないのでブルペンの出番が多くなり、そのブルペンもボコボコにされるという展開がよく見受けられます。ジャンセンが開幕からDL入り、代わりにクローザーを勤めているサントスはERA8.31と大炎上しており、シーセルもERA5.23。ループとデラバーも4点を超えており、現状で安心して送り出せるリリーバーが一人もいない状態です。18日の試合では1イニングでなんと8四球、3暴投というとんでもない大失態もありました。さすがに一時的な事態で落ち着いてくると思いますが、スターターの不甲斐なさでブルペンに余計に負担がかかっているのは事実です。
マゴワンは60球以上投げると疲労を覚えることを本人が認めており、スターターとしてはかなり怪しい状態です。これを受けてStromanの昇格が近くなってきています。29日の登板では6イニングを投げ無失点、1四球に10奪三振と、支配的なパフォーマンスを見せました。正直早く昇格してきてほしいといった感じです。開幕前から懸念されていたスターター5番手の問題が再燃してきてしまいました。







暗いことが多かった四月。反攻といきたいところですが最近のみじめな試合の連発だとポジティブにもいけません。このままずるずると落ちていくところだけは見たくないです。怪我人は多くないので、戦力的には足りているはず。五月の爆発に期待するとして、今回はここまでにして筆を置きます。

2014年4月28日月曜日

Jays Minor's report April

マイナーが開幕してからそろそろ一カ月経とうとしています。四月はまだ少しありますが、マイナーチームのレポートを書いていきます。





3A Buffalo Bisons バッファロー・バイソンズ(ニューヨーク州バッファロー) チーム成績11-10


Hot Prospect

Marcus Stroman Stats:20.2IP ERA2.12 6BB26SO
Sean Nolin Stats:23IP ERA1.96 11BB24SO



Hot Player
Liam Hendriks Stats:21.2IP ERA1.25 0BB21SO
Dan Johnson Stats:.310/.440/.535 4HR15RBI 16BB15SO



Stromanは5BBと制球を乱した試合がありましたが、全体としてはなかなかのスタッツ。現在5番目のスターターが不安定なため、彼に白羽の矢が立つのもそう遠くないように思えます。Nolinも負けず好調ではありますが、制球が気になるところ。
フランシスコも好調でしたが、リンドの怪我でメジャーへ昇格していったので割愛します。ジョンソンもそこそこのスタッツですが、このクラスの選手だと圧倒的なスタッツを残さないと昇格へのアピールとはなかなかならないですね。



2A New Hampshire Fishercats ニューハンプシャー・フィッシャーキャッツ(ニューハンプシャー州マンチェスター) チーム成績 11-10

Hot Prospect
Aaron Sanchez Stats:23.2IP ERA2.62 13BB 21SO



Hot Player
Ryan Schimpf Stats:.322/.459/.661 4HR10RBI 13BB17SO


Sanchezの課題の制球はまだまだといったところです。やはりまだまだ多い。来年にはメジャーへ昇格してほしいですが、これでは不安ですね。BurnsはAVG2割程度、AJ.Jimenezは出場試合が少ないので割愛。
Schimpfはバッファローへプロモートされましたが、ここに乗せておきます。いいスタッツを残していますが、守備位置が3Bの他2B、OFも守っていたりと安定しません。この辺が順調な昇格を阻んでいるような感じを受けます。



1Aアドバンスド Dunedin Bluejays ダニーデン・ブルージェイズ(フロリダ州ダニーデン) チーム成績18-5



Hot Prospect
Matt Boyd Stats:31IP ERA0.29 5BB37SO
Daniel Norris Stats:19IP ERA0.95 5BB21SO
Dwight Smith Jr. Stats:.341/.426/.455 2HR14RBI 12BB11SO
Dalton Pompey Stats:.371/.434/483 1HR13RBI 10BB19SO 12SB


傘下チームで最もいい成績を収めているチームで、絶好調です。ピッチャーはなんと言ってもBoyd。現地25日のゲームでは8イニングを投げ無失点、0BBで12SOと支配的なピッチングを見せました。ブレイクの予感が漂います。Norrisは課題の制球がここまで落ち着いています。なかなか順調ですね。
打者ではPompeyが素晴らしいです。.371という高いアベレージを残しており、自慢の足でも12SBと走っています。数年後のリードオフへと期待できるでしょう。Smithは長打が少ないのが気になりますが好調です。






1A Lansing Lugnuts ランシング・ラグナッツ(ミシガン州ランシング) チーム成績10-12


Hot Prospect
None.



無理やりにでも乗せたかったですが、Hotと言えるプロスペクトがいないのが現状です。私個人が注目してるNayは3割を切ってる上に未だホームランゼロ、Tiradoの三振奪取力は高いですが、制球が酷すぎます。DJ Davisは20Gで早くも30SOに達してしまい、Lugoは2割前後をウロウロする低空飛行。RobsonはERAが10点近くとボコボコにされていて、Labourtは超ノーコンでお話になりません。
一番期待していた傘下チームだったんですが、ここまでは酷いとしか言いようがない結果となっています。特にNayは期待されているパワーポテンシャルの発揮ができていない状況です。このまま行くとは思えませんが、なんとも不安な四月となってしまいました。



ダニーデンが絶好調なのは朗報ですね。BoydとPompeyへの注目を強めようと思いつつ、今回はここで筆を置くことにします。次回はまた五月にでも。